【休日に体調が悪くなったら】休日当番医制度というものを知っていますか?

この記事は「体調が悪いけど、休日に救急病院に行くほどではないかな」という人向けです。一刻を争う疾患を疑う場合は救急車を呼ぶ等早急に病院への到達できる手段を講じてください。

今回は医療者向けではなく、非医療者向けの内容です。救急外来勤務をしていて思ったことを書きます。

諸外国に比べ医療へのアクセスが容易な日本ですが、もちろん休日ともなると利便性は低下します。

特に連休の初日に体調が悪くなった時などは、「1日耐えれば平日に」というわけにもいかず、何とか受診したい場合もあると思います。首都圏ですと、休日も営業しているクリニック等も増えてきていますが、まだまだ少ないのが現状です。

その場合、真っ先に思いつくのが「救急病院」というかたが多いですが、実は救急病院の救急外来にも弱点があること、休日当番医制度があるということを知っていただければと思います。

休日当番医制度とは各自治体が、休日でも地域の患者さんが急病になった際に受診できる病院を確保している制度です。

通常当番制であり、「市町村名 休日当番医」などで検索すると、その日の当番病院がわかる自治体のHPが出てくると思います。

ここからは休日当番病院と救急病院(400床規模)、救急病院(19~100床規模)とを比較していきます。

薬がしっかりもらえるか

休日当番病院

休日当番病院の場合、合わせて近隣の薬局も営業するようになっているため、普段通りの内容で必要な日数分の処方をすることができます。

救急病院(400床規模)

院内に在庫がある薬であれば処方してもらえますが、やはり薬局と比べると種類に限りがあったり、在庫に限りがあったりで、十分な日数処方してもらえるとは限りません。

救急病院(19~100床規模)

院内にあるかなり限られた種類の薬剤からしか選択できません。そのため、「本当はこれを処方したいけど、ないから似たもので」という処方にならざるをえないことがあります。

しかも在庫があまりないことが多く、次の平日までの分しか出せないことが多いです。

・診療体制

休日当番病院

平日に準じているため、比較的すぐに診てもらえる可能性が高いです。また検査についても完全に平日と同じ、とまではいきませんが、体制を整えている場合が多く、血液検査やレントゲン検査等も行えることが多いです。

また休日当番医のリストを見ると小児科や内科、外科などの表記があり、自分の診てほしい科を選んで受診することができます。

救急病院(400床規模)

一般にこうした規模救急外来は外来担当と入院担当にそれぞれ医師がいますが、初療は研修医などが担当することが多いです。また規模が大きい病院には患者も大勢来るのと、大病院でしか診られない重症患者が運ばれてくることもあり、どうしてもそちらが優先となるなどで1時間、2時間待ちとなる可能性もあります。

またスタンスとして「命に関わる疾患があるかを見極める」ことが重要視されているため、病名の診断やなどは行うことは前提とされていません。1か月前からある症状などの原因を突き止めるための検査は、通常行えません(急激に増悪している場合は除く)

救急病院(19~100床規模)

100床前後の規模の病院の場合、通常の休日は医師が1人しかいません。その場合、入院患者さんの対応をしていたりしていると、緊急性がない場合は待たされる可能性があります。

またほとんどの検査は行えないことが多く、在中している医師が何科を専門としているかもランダムなため、熱があるのに整形外科医しかいなかったり、怪我を見てほしいのに内科医しかいなかったり、という場合もあります。

さいごに

いかがですか。上に書いたのはすべての病院に当てはまるわけではないですが、概ねは間違っていないと思います。

意外と休日当番医の存在を知らない人が多く、当番じゃない日に受診して、十分な検査や治療を行えなかったりすることを避けるために、一度自治体のHPで調べてから受診するとよいと思います。

※繰り返しになりますが、重篤な疾患を疑う場合はその限りではありません。早急に救急病院を受診もしくは救急要請してください。