こんにちは、すりぃぴ医です。
先日こんな記事を書きました。
こんにちは、すりぃぴ医です。 今回は一部の医師の間では常識でありながら、意外とやっている人が少ない印象の"医師のポイ活"についてまとめてみました。 ちなみにポイ活とは「隙間時間にスマホでアンケートに答えるなどをしてポイントをもら[…]
みなさんはポイントサイトでのポイ活を行っていますか?
医師でバイトをしていれば確定申告はしているかと思いますが、その時
「ポイントって申告しないでいいのかな?」
と思ったことはありませんか?
実は知らぬ間に脱税をしてしまっていて、後日「追徴課税払ってください」とかなったら嫌ですよね。
そこで今回はポイ活で獲得したポイントの扱い方について解説していきます。
ポイ活で獲得したポイントは何所得になるのか?
日本の法律上、所得は下記の10個に分類されます。
2. 配当所得
3. 不動産所得
4. 事業所得
5. 給与所得
6. 退職所得
7. 山林所得
8. 譲渡所得
9. 一時所得
10. 雑所得
ポイ活で獲得したポイントはこのうちどれに分類されるのでしょうか?
結論から言うと9. 一時所得もしくは10. 雑所得のどちらかに分類されます。
これらに分類される所得はもともと確定申告をしている医師の場合必ず申告する義務が発生します。(そうでない方も住民税の申告は必要ですよ。。。)
しかしどちらに分類されるかで我々の手残りが大きく変わってくるため、ここからが大事です。
ではそれぞれの所得はどう定義されているのか見てみます。
・一時所得とは
一時所得とは、上記1から8までのいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。
(1) 懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金
(2) 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
(3) 法人から贈与された金品※国税庁HPより
・雑所得とは
雑所得とは、上記1から9までの所得のいずれにも該当しない所得をいいます。
例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。
(1) 公的年金等
(2) 非営業用貸金の利子
(3) 副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)※国税庁HPより
これを見てみると、一時所得になりそうな気がしますね。
しかし医師がポイントサイトで獲得したポイントには”医師という立場を利用して回答したアンケートによるポイント”が含まれます。
これは一時所得の欄に記載のある“労務その他の役務の対価としての性質”を持っているといえなくもありません。
これは一般のポイ活でも言われており、アンケート回答で得たポイントは雑所得になる、という考えが通説です。
なので
その他のポイント⇒一時所得
と考えるのが無難でしょう。
ただし実際にこれを判断するのは税務署であり、今ところ税務調査で「あなたの獲得したポイントは一時所得じゃなくて雑所得だから税金追加!」となったケースはないようですが、、、、
医師がポイ活で獲得したポイ活の確定申告
ではこれらはどのように確定申告していけばよいのでしょうか?
・アンケート回答のポイント=雑所得 の場合
雑所得は基本的に総合課税であり、給与所得などと合算された状態から所得控除を行った後に、累進課税による所得税と、住民税がひかれます。
雑所得が給与所得と異なるのは「経費」が認められることと、社会保険料がひかれないことです。
この「経費」が認められることが非常に重要で、要は「ポイントを獲得するためにかかった費用分を収入から引いた金額」が所得になるわけです。
例えば、、、
アンケートで10,000ポイント=10,000円を獲得したとしましょう。
これをこのまま申告すると、所得税率33%、住民税率10%なら4,300円が税金に取られてしまいます(泣)
しかしこの10,000ポイントを獲得するためにかかったお金があれば、ベースとなる10,000円から引いて、その残りに税金がかかることになります。
経費の例としては、アンケート回答に際して医学書を購入したとか、、スマホから回答しているから通信費がかかっているとか etc…
ただし医学書や通信費はそのすべてをアンケート回答のためだけに使ったのでなければ使った分を按分(あんぶん)して申告する必要があります。
1日のスマホ利用時間の3%くらいはポイ活サイトを利用している場合、月の通信費が5,000円なら月150円、年間1,800円がアンケート回答のためにかかった通信費として申告できます。
・その他のポイント=一時所得 の場合
一時所得についても雑所得と同様に経費の申告が可能です。
さらに一時所得には50万円の一時所得控除というものがあり、課税対象となる所得は次の計算式で算出されます。
雑所得同様に経費は認められる上に、50万円の一時所得控除があるため、「これはポイ活くらいじゃ超えないな」と考えたあなた。
実はふるさと納税の返礼品も一時所得に分類されるため、注意してください。
まぁ返礼品が還元率30%のもので固めても150万円分ふるさと納税をしないと50万円には届かないので、勤務医にはいらぬ心配ですが。。。
医師のポイ活での注意点まとめ
① 医師としての知見を活かしたポイント獲得は雑所得に分類される。
② その他のポチポチするだけのものは一時所得に分類される。
③ ポイ活で獲得したポイントにも税金はかかる。
④ ポイ活で獲得したポイントは経費が認められる(ことがある)。
⑤ 一時所得は経費と一時所得控除(50万円)をひいた額の半分に税金がかかる。
⑥ 一時所得はふるさと納税と合算になるので注意。
といったところでしょうか。
ただ実際はどこまではアンケートによるポイントかもわかりにくかったり、雑所得と一時所得の線引きがあいまいなことも少なくありません。
他のポイント制度においても税務署の解釈も不明確なところもあるため、日々アンテナを張って情報をチェックしていく必要があります。
※私は税理士でも弁護士でもないため、本記事内容についてはご自身でも確認を取ることをお勧めします。