もはや節税の定番となってその名を知らない人はいないであろうふるさと納税ですが、私の周りの医師にはまだやっていない人が結構います。そうした人も「自治体に寄付をして、返礼品を受け取る」というふるさと納税の主なシステムは理解しているものの、「手間がかかりそう」とか「めんどくさい」という理由でやっていないようです。
そこでここではふるさと納税を始めるにあたって気になる仕組み、メリット、注意すべき点について説明していきたいと思います。
ふるさと納税の仕組みと節税効果
ふるさと納税は納税とうたっているものの、お得になる理由は「寄付金控除」です。
寄付した金額から2,000円を引いた金額が所得から控除されるため、同年分の所得税と住民税が軽減されることになります。ただし無限に控除が適応されるわけではなく、世帯構成・年収で寄付できる上限額は決まるので、シュミレーションサイトでの計算をお勧めします。
例えば2020年の年収が1200万円とすると、独身もしくは共働き世帯・子供なしの場合、ふるさと納税の限度額は約239,000円です。そこから2,000円をひいた237,000円が控除となります。
つまり237,000円年収が少ないことになるので、住民税27,900円、所得税54,510円(所得税率23%で計算)が節税となり、所得税は確定申告時に還付、住民税は2021年の徴収額から減額、という形で戻ってくることになります。
そして返礼品は現在寄付金額の30%を超えないように、となっているので還元率の良い返礼品を選べば、71,700円分の返礼品を受け取ることができます。
Amazonギフト券がもらえる
月ごとによって各ふるさと納税のポータルサイトでキャンペーンを行っていることが多く、2020年11月現在寄付金額に対して、ふるさと本舗で最大8%、ふるなび・ふるさとプレミアムで最大7%のamazonギフト券がもらえるキャンペーンを行っています。ただしポータルサイトによって扱っている返礼品が異なるため、amazonギフト券欲しさに無理にポータルサイトに固執しないことが重要です。
クレジットカードポイントがたまる
寄付金の支払い方はいろいろありますが、圧倒的に楽かつお得なのはクレジットカード払いです。寄付への支払いは通常の使用としてカウントされるため、1%ポイント還元のカードであれば、寄付金額の1%がクレジットカードのポイントとして獲得することができます。
さらにdカード×ふるさとプレミアムではポイントアップモールを経由すると4%のポイントを獲得できたり、楽天ふるさと納税では楽天市場の使用状況等で最大30%(30%を達成するのはかなり困難ですが、10%台は容易)のポイントを獲得することができます。
ふるさと納税のデメリットは?
個人的にはほとんどないと思いますが、あえて挙げるなら
①確定申告時に書類を提出する必要がある
②返礼品に全くほしいものがないと2,000円払うだけになる。
③計算を間違えると本当にただの寄付になってしまう。
といったことがあります。
しかし①についてはバイトをしている勤務医であればもともと確定申告をしているので、大した手間ではありません。寄付後に自治体から送られてくる寄付証明書を確定申告に沿えればOKです。
②については、ふるさと納税のポータルサイトを除いてみればわかりますが、ティッシュやトイレットペーパー等の消耗品もたくさんあるため一つも使うものがない、という人はいないと思います。
③は1番注意が必要です。まず2020年分の納税は2020年内に支払われた給与が対象となるので、ぎりぎりまで金額が確定せず、計算を誤ると単に寄付金額で返礼品を買うことになってしまいます。また、給与総額を把握すると同時に、医療費控除や生命保険控除等の控除によって、所得額が変わることもしっかり計算に入れるのを忘れないようにしましょう。
さいごに
以上がふるさと納税が概要ですが、正直全く複雑・煩雑さはなく、メリットがデメリットを大きく上回る制度だと思います。2020年も残り1月と少しですから、まだふるさと納税に取り組んでいない方はぜひやることをお勧めします。
各ポータルサイトについてまとめています。各サイトのキャンペーンは日々変わるので、サイトで直接確かめてみてください。