【医師×バイト】美容外科・美容皮膚科への転職まとめ 美容外科に興味がある医師必見

こんにちは、すりぃぴ医です。

今回は美容外科への転職を考えている方に向けて、美容外科への転職についてまとめてみました。

・初期研修終了後すぐに美容外科に進みたい人
・後期研修が終わったら美容外科に進みたい人
・専門医を取ったら美容外科に進みたい人
・今すぐ美容外科に進みたい人
・将来的に美容外科もありかな、と考えている人
すりぃぴ医
美容外科を考えている人には参考になると思うので、
読んでもらえると嬉しいです。

美容外科の需要が伸びている?

わたしが医師になりたてのころは、美容外科というと

形成外科や皮膚科の専門医の中で美容に特化したい医師が選択する進路

という印象でした。

しかしここ数年美容外科に進む医師が急増しています。

実際街中であちこちに美容外科が乱立しているのを目にしますね。

その背景には美容医療の市場が年々拡大傾向にあることがあり、現時点では決して美容外科医師は供給過剰にはなっていない状態です。

下のグラフは矢野経済研究所が発表している美容医療の市場規模の遷移ですが、ここ10年で60%以上の伸びを見せています。

まだまだ入り込む余地はありそうですね。

                                   矢野経済研究所調べ

美容外科の種類

“美容外科”といってもいくつかの種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

・狭義の美容外科

古くからある美容“外科”です。骨切りやインプラント挿入による豊胸術といった

全身麻酔下で行う観血的な施術を扱います。

理論上は医師免許があれば誰でも行っていいのですが、

専門性が高く高度な技術を要するため、現実的には形成外科で保険診療でのトレーニングを行ってきた人にしかできないといえます。

しかしその分1件当たりの価格は高く、ウン百万円もめずらしくありません。

そして報酬は固定報酬のこともありますが、契約次第では儲けの〇%という形もあり、保険診療医では考えられない報酬を得ることができます。

さらに医師個人の名前で患者を呼べるクラスになると、価格に対する報酬の率がかなり高くなり、勤務しているというよりは、

「手術する場所を借りるために場所代を払っている」という状態になります。

それなら開業すればいいのでは?という意見もありますが、開業には色々なリスクや事務作業を伴うため、

むしろこのクラスの医師はオペをしまくった方が儲かるようです。

ここに進みたいのであれば形成外科専門医(を取れるくらいのトレーニング)は必須といえるでしょう。

・広義美容皮膚科

最近増えてきているのはこちらの“広義”の美容外科ですね。

二重形成や鼻尖形成、フェイスリフトといった観血的といえば観血的ではあるものの、比較的侵襲性が低いもの、

脂肪注入・溶解、ヒアルロン酸、ボトックス注射などといった

形成外科としての基盤がなくても、しっかりトレーニングを積めばある程度の施術は行えるようになるものです。(上手い下手はありますが、、、)

ここへ進む場合は特にそれまでの専門性はあまり関係ないでしょう。

外科系の下地があると多少飲み込みは早いと思いますが、あまり気にしなくて良いと思います。

極端な話、初期研修後そのまま大手美容外科にいったん入職し数年トレーニングを受け、そのまま院長をやっている人もいます。

・美容皮膚科

ベースが皮膚科なので、観血的施術はほとんど行いません。

レーザー治療やピーリングをメインとして美容クリームの販売などを行っています。

他クリニックとの差別化目的にヒアルロン酸やボトックス注射までは行っているクリニックもあります。

美容皮膚科でのレーザーやピーリングについては医師の監督下、というていで看護師が施術していることがほとんどであり、

正直医師免許があれば誰でもやれます。

ヒアルロン酸やボトックス注射に手を出すなら、トレーニングを受けることをおすすめしますが。

またAGAや脱毛治療もここに分類されます。これについてもプロトコルさえあれば、だれでもできる治療です。

・3種の関係

これら3つの関係性は上図のような関係性になると言えます。

どちらが上、といった議論ではなく現実的に施術可能な範囲の話ですので、ご了承ください。

ただし、先の矢野経済研究所の資料で示した通り美容医療の市場規模が伸びているのは事実なのですが、一転注意があります。

それは「外科治療の市場規模は縮んでいるが」それを上回る勢いで「非外科的治療の市場規模が増大している」ということです。

特に脱毛、AGA治療、レーザー治療の分野の伸びが強いようです。

美容外科へ転職するメリット・デメリット

〇 美容外科のメリット

1. 収入が高い

令和元年の厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査によると医師の平均年収は1,169万円となっています。

もちろんこの数字には、初期研修医、子育てや介護で時短勤務の医師等も含まれるため、

実際3~40代のフルタイム勤務の医師であれば1,500万円前後が平均ではないでしょうか?

しかし美容外科の給与は週5勤務で2,500~3,000万円、週4勤務で2,000万円という求人も珍しくありません。

2. QOLが高い

勤務医には当直や休日当番、夜間呼び出し、時間外勤務が常態化しています。

しかし美容外科であれば、休みの日に呼び出されることは皆無で、当直なしで先述の給与を得ることができます。

3. 将来性がある

美容外科はそのほとんどが自由診療によって行われます。

日本の保険診療は国が定めた金額で医療を提供する必要があり、初期研修医がやる手術も教授がやる手術も同じ値段です。

また国が定期的に診療報酬改定の名のものとに価格の変更を行うことで、それまで黒字だった治療がやればやるだけ赤字になる治療に変わる可能性があるのです。

いわば首根っこを国につかまれている状態です。

日本の医療保険制度は明らかに限界を迎えており、先の見通しが立ちません。

それにたいして自由診療を主とする美容外科は、値段を自由に決めることができ、更に伸び続けている市場を考慮しても、

自分の集客力と腕さえあれば食うに困ることにはならない可能性が高いです。

〇 美容外科のデメリット

1. 勤務終了時間が遅い

美容外科はクリニックの営業時間を見ればわかる通り、昼前に開院し夜に閉院するクリニックが多いです。

これは顧客のニーズによるもので、朝一に美容医療を求める人は少なく、学校・仕事帰りの時間に受診を望む人が多いためです。

クリニックによっては20~21時まで営業しているため、スタッフは必然的に帰宅時間が遅くなってしまうことが多いです。

もちろん、大手クリニックで医師が複数勤務しているところでは、シフト性がとられているので、そうした勤務先を選ぶのも一つの手でしょう。

2. 土日休みではない

美容クリニックは土日の方が受診希望者が多いため、基本的に土日は開院しているところが多いです。

そのため土日仕事、平日休みとなるので、土日休みの友人・家族と予定が合わなくなってしまうというデメリットがあります。

ただ逆に平日が休みとなるので、土日に込んでいるスポットへ空いているときに行けるという意味ではメリットとなります。

3.トラブルに巻き込まれる可能性

美容医療は治療のゴールが命を救う、疾病を治すという明らかなものではなく、“患者側の理想を実現する”というあいまいなものです。

そのため医師は成功したと思っても、患者にとっては失敗としてとらえられることがあり、運が悪いと訴訟という形になる可能性があります。

最も近年は保険診療においても医療訴訟は増えているため、保険診療をやっていれば安全というわけではありませんが。

美容外科に就職する方法

1. 伝手を頼る

専門が形成外科や皮膚科の場合、知人が開業していたり、雇われ院長になっている場合があります。

そうしたところで雇ってもらい、トレーニングを受けるのはアリでしょう。

しかし初期研修終了後、そのまま美容外科に進む場合や、全く異なる専門から転科する場合はなかなか難しい選択肢です。

2. エージェントに依頼する

現実的には最も多いパターンではないでしょうか?

最近では美容外科転職に特化したエージェントも登場しています。

勤務形態の希望、給与交渉、トレーニング環境等、美容外科転職には美容外科転職ならではの

ノウハウがあります。

その他のエージェントでも良いですが、求人を出す側の立場になって考えると、今後は徐々にこうした特化したエージェントに求人が集まってくることは想像に難くないでしょう。

登録はもちろん無料なので、とりあえず登録してみることをお勧めします。

初期研修医の方も、研修終了後の進路として考える場合は早い段階で登録、面談を行っておき、

美容医療の世界についての現実を知っておくのが良いでしょう。

その上でいったん保険診療の道へ進むのもありだと思います。

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さいごに

今すぐに美容外科・美容皮膚科の道を進む、と決めていなくてもどういった待遇があるのか、給与の相場観はどうなのか、いった情報は早めに

知っておいて損はないでしょう。

将来的に美容外科・美容皮膚科に進む可能性がある人は登録して、求人を眺めているだけでも非常にためになると思います。