【医師の健康保険】常勤を離れる時の医療保険について解説 任意継続がおすすめ

こんにちは、すりぃぴ医です。

年末が迫ってきて来年度の身の振り先が決まってきた方もいるかと思います。

今の勤務先にこのまま残る方、転職するけれども常勤→常勤となる方は問題ありませんが、次のような方は医療保険の扱い方に注意が必要です。

フリーランス医師になる人
非常勤のみになる人
大学院に進学する人

この記事では上記のような常勤先がなくなる人が健康保険をどうしたらよいかについてまとめました。

すりぃぴ医
健康保険に最もお得に入る方法をまとめました

医療保険について

日本では”国民皆保険制度”の名のもとに、国民全員が何かしらの公的医療保険に加入しています。

代表的なものは、市中病院の勤務医が加入している「社会保険(健康保険)」と公立病院勤務医や私立医大学病院勤務医などが入る「共済組合」、自営業者や常勤先がないフリーランス医師などが入る必要がある「国民健康保険」があります。

正直受けることができるサービスは同じですが、そのために本人が支払う金額に大きな差があります。

健康保険料=共済組合保険料>>国民健康保険料

◎ 社会保険=健康保険と共済組合のメリット

医療保険は運営団体があり、健康保険を運営する団体として「健康保険組合」「全国健康保険協会(協会けんぽ)」共済組合は○○共済という形で何種類かあります。

どれであっても通常利用するのであれば大差がないので、今回はあまり気にしないで大丈夫です。

健康保険と共済組合には国民健康保険と比べて2つのメリットがあります。

メリット① 被扶養者の保険料が不要

健康保険と共済組合では配偶者や子供といった被扶養者がいても、被保険者の保険料のみの支払いで全員が保険の恩恵を受けることができます。

それに対して国民健康保険では加入者ごとに保険料の支払いが必要となるため、大家族になればなるほど支払い額が高額になっていきます。

独身一人暮らしや、共働きであれば関係ありません。

メリット② 保険料は事業者との折半

健康保険と共済組合の保険料は収入や地域等で決定されますが、その金額の半分は事業者が支払うことになっています。

それに対して国民健康保は全額加入者の支払いとなるため、通常同等の収入であれば、国民健康保険の方が保険料の支払額は高額になります。

メリット③ 各種手当がある

加入している団体によって多少の差はありますが、国民健康保険加入者が受けられなくて、社会保険加入者が受けることができる手当として

① 傷病手当金:業務外の理由で4日以上仕事に就けず給与が支払われない場合に支給される手当金。
② 出産手当金制度:出産前42日と出産後56日の間、出産のため仕事を休み、給与の支払いがない場合に支給される手当金。

があります。

※出産育児一時金はどちらの保険でも貰えますよ!

常勤先を退職する人はどうしたらよいの?

結論から言うと次の3つの方法があります。

① 国民健康保険に加入する
② 任意継続制度を利用する⇐おすすめ
③ 医師国保に加入する

では1つずつ見ていきましょう。

ちなみにここでは「30歳・独身・年収1500万」を想定してみましょう

① 国民健康保険に加入する

国民健康保険料はどこに住んでいるかで微妙に差があるので、詳しくはお住いの地域の自治体で確認してください。

東京都新宿区が早見表を公開してくれています。

給与所得が900万円を超えると国民健康保険料は上限に達するため、これ以上増えることはありません。

つまり年間の保険料は

月額68,333円×12か月=約82万円/年間

となります。

現在の手元の給与明細と比べるとわかりますが、めちゃくちゃ高いですよね、、、

というわけでできればこれは避けたいです。

② 任意継続制度を利用する

最もお勧めする方法です。

任意継続制度とは簡単に言えば「被保険者が希望すればこれまでの保険金と同額の支払いで、2年間だけ保険を続けていいですよ」というものです。

ただし使用するには条件が2つあります。

資格喪失日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること。
資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること。

前者は普通に勤務していれば問題になることはありませんが、後者は退職前から準備をしていないと間に合わないので注意が必要です。

労使折半の金額分だけの保険料で、2年間健康保険を継続できるので最もコストパフォーマンスが高い方法です。

退職前の常勤先の給与がベースになるので、仮に常勤先から1500万円貰っていたとして協会けんぽ{東京}で見ると

月額62,484円×12か月=約75 万円/年間

となります。「年間7万円差か、あまり変わらないな」と思う方もいるかと思いますが、多くの医師が常勤先1000万、バイト先500万、のように収入減が分散していると思います。

その場合

月額63,926円×12か月=約53 万円/年間

さらに大学病院のように常勤先の給与が著しく低い場合常勤先の給与が600万円とすると

月額24,600円×12か月=約29.5 万円/年間

と国民健康保険とで年間50万円以上、2年間で100万円以上の差が発生します。

可能な人は是非利用したいですね。

③ 医師国保に加入する

何かしらの理由で任意継続制度が利用できない人や、任意継続制度が切れた場合は医師国保への加入がおすすめです。

医師国保は基本的に医業に従事していれば加入できます。

東京都の場合は

月額32,500円×12か月=約39 万円/年間

の保険料となります。ただし扶養家族については一人につき12,500円かかります。

注意点としては医師会の会員となる必要がある点です。

地域によって医師会の費用は異なりますが、大学経由が比較的安いようです。

慈恵医大の医師会では年間46,800円払えばOKなようです。

それを加味しても国民健康保険に比べれば圧倒的に安いですね。

まとめ

以上のように勤務医をやめる方は

●まず任意継続制度利用のための手続きをする。

●2年間恩恵を受けたら医師国保に切り替える

というのが現時点では最もコストパフォーマンスに優れる方策だと思われます。

常勤を離れたら収入も不安定になるためポイ活もお勧めです。ポイ活についてまとめた記事も書いてますので、読んでください。

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