先日
にて不動産サイトについて比較しました。
個人的にはSUUMOのほうが好みで、これまで病院を異動する際、何度も引っ越しでお世話になっています。
しかしSUUMOをはじめとした不動産ポータルサイトは便利な反面、使いこなさないと逆に足元をすくわれることになるので、実際に私が経験したことをもとに、ポータルサイトから不動産屋に出向く際の注意点をお伝えしたいと思います。
訪れる不動産屋を決める
SUUMOでめぼしい物件を見つけたら、内見をしたいですよね。
いきなり物件に押しかけても無人の部屋があるだけで入ることはできません。
たいていの不動産屋は各物件の管理会社につてを持っており、物件の鍵を借りることができます。
ですので、“ある程度しっかり”していればどこでもよいので、物件近くの不動産屋にアポイントを取り訪れてみましょう。
“ある程度しっかりした”不動産屋を見極める一つの方法として免許番号があります。SUUMOですとページの下部に「この物件を取り扱う店舗」という項目があり、不動産屋の所在地や宣伝が書かれています。
その中に小さく国土交通大臣(2)や東京都知事(1)といった記載があると思います。
これは不動産賃貸仲介業を営む上で必要な宅地建物取引業免許です。
この免許は5年更新制で、更新のたびに()内の番号が増えていきます。
よって番号が1の会社より2以上の会社のほうが経験豊富な可能性が高いことになります。
”可能性” と書いたのは、業務形態変更したり、会社を移転したりなどの理由で番号が1に戻ってしまったり、古くからある会社を買い取って全くの素人が経営している場合等の例外があるためです。
不動産屋に行く前に
注意が必要なのは、気になっている物件ページの“最終更新日“です。
実は不動産ポータルサイト上の情報は物件の契約が成立して初回家賃・手数料の振り込みが完了するまで、乗り続けていることが多いです。
そのため、少し前から公開されている物件はすでに契約が進んでいる可能性があります。
なぜそのまま掲載し続けるかというと、その物件を見て店舗を訪れる客を引き込むためです。
たいていそうした物件を目当てに店舗に行くと「あぁ~、その物件はもう申し込みがあって決まっちゃいましたね~。ですが似た物件が~」という形で、他の物件を勧めてきます。
その際に、向こうも商売ですからこちらが希望した物件より少し家賃が高い物件も含め提示してくることが多いです。
もちろん家賃が高いだけあって、築浅だったり、駅近だったり、グレードが高かったりなどと誘惑を持った物件となります。
そこで一時の誘惑に負けてそうした物件で契約してしまうと、後々アップした家賃がボディーブローのように効いてきて後悔することとなります。
なので、不動産屋に入る前に「家賃はここまで」と断固たる設定をして臨むことが必要です。
不動産屋に行ってみる
不動産屋に行くと希望の物件を聞かれるとともに、希望条件を聞かれます。その際にお勧めしたいのは、家賃を上限の10%くらい下に設定しておくことです。
上でも書きましたが、不動産屋は確実に15万までと言ったら、15万6千円、16万円と客が「それくらいなら払えるかな」と思う程度に少し高い物件を提示してきます。
なのであらかじめ10%程度低い希望額を希望しておくと、希望通りの物件をはじめから紹介してもらいやすくなります。特に医師は職業を明かすと、不動産屋も経験上これくらい払えるだろう、という家賃の物件を勧めてくるので注意が必要です。
そして実際に話を聞いてみて、内見したい物件を決めたらすぐにでも内見を申し込みましょう。
内見に行ってみる
内見は現実的に1日3件くらいが限界だと思います。
それ以上行ってもどれがどれだったか混乱しますし、他の客とバッティングしないように設定されるため、物理的にもこれくらいが限度でしょう。
逆に行きたい物件が1つしかなくても、比較のためにもう一つくらいは見に行くとよいでしょう。
内見時に注目しておきたいポイントがいくつかあります。チェックポイントは
にまとめたので確認してみてください。
また、本命は最後に行きたい、と申し出るとよいと思います。
そうすることで現地解散してもらい、内見終了後に最寄り駅までを歩いてみたり、周辺の環境を確認することができます。
また大通り沿いや近くに線路や高速道路などがある場合、日中より夜のほうが音が気になりやすいので、その確認もできます。
帰宅後に
内見して、物件が良いと勢いで契約してしまいたい気持ちになります。
しかしいったん家に帰って、落ち着いて考える時間を設けることをお勧めします。
一晩寝て、それでも気持ちが変わらなければたいてい大丈夫でしょう。
もちろん物件は早い者勝ちなので、この間にほかの人に取られてしまう可能性もあります。
しかし、焦って希望に合わない物件に何年も住むことになるよりはマシなので、縁がなかったと思ってあきらめましょう。
また、気にならない人はいいですが、事故物件が気になる方は、いわずと知れた事故物件情報サイト大島てるで調べておくとよいでしょう。
もちろんすべての情報が載っているわけではありませんが、引っ越してから、事故物件だった!という悲劇を減らすことはできるでしょう。
契約する
最終的に決断したら一刻も早く契約を申し込みましょう。
しかしここでも焦ってはいけません。
その不動産で契約した場合に初期費用がいくらになるか確認すべきです。
最も大きな割合を占めるのが仲介手数料、礼金です。
これらは同じ物件でも仲介する不動産屋によって異なることがあるので、よく確認したほうがいいです。
本来仲介手数料は原則家賃の0.54か月分、借主の承諾があれば1月分、と定められているのですが、実際は何も言わずに1月分、としている業者も多く注意が必要です。
また最近「仲介手数料無料」を謳う不動産屋も増えていますが、別に悪いことをしているわけではなく、貸主に1.08か月分を負担してもらうことで、しっかり報酬を得ているわけです。
なので「仲介手数料無料」の不動産屋はどの物件でも仲介できるわけではないのが弱点ですが、自分が借りたい物件を扱っているかを電話で聞いてみるのはアリだと思います。(内見させてくれた不動産屋さんごめんなさい)
そうして借りることが決まったら、入居日を調整しましょう。
今住んでいる家の退去日とできるだけ近づけて、家賃2重払いの期間が短くなるようにしてくれるよう交渉すると、少しは妥協してもらえることが多いです。
特に個人ではなく大手が管理している物件ほど余裕があるのか交渉できる余地が大きい印象があります。
最後に
物件選びは引っ越しを繰り返して慣れると時間がかからなくなりますが、はじめは悩んだりして時間がかかり、決めようとしたときにはすでに契約済になっていたりとうまくいかないこともあると思います。
繁忙期の1~3月に入ってからから物件を探し始めると物件の入れ替わりが激しく、内見も思い通りにできないことも多くなります。
家探しに慣れていない方は12月くらいから少しずつ不動産屋に通って、コツをつかんでいくとよいかもしれません。
また閑散期は家賃が少し安めに設定されていることもあるので、意外と掘り出し物を見つけられるかもしれません。