いしの
みなさんはアロマテラピーを知っていますか?
「名前は聞いたことがあるけどやったことはない」
「いい匂いが好きだけど柔軟剤で十分」
「興味はあるけど、やり方・メリットがよくわからなくて始められていない」
という方が多いのではないでしょうか?
これらに1つでの当てはまる人は是非この記事を読んでみてください。
アロマテラピーとは?
アロマテラピーとは花や樹木から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を用いて、心身のストレスを解放する芳香療法です。
要は「いい匂いを嗅いでリラックスする」ということです。
精油(エッセンシャルオイル)は約300種類あり、単体で使うこともあれば、複数の精油を組み合わせて使用することもあるため、香りの組み合わせは膨大になります。(理論上は2の300乗あり、無限といっても差し支えないですね)
なので、あまり匂いに興味がないよ、という人にも合う匂いがきっと見つかると思います。
・精油(エッセンシャルオイル)の種類
精油(エッセンシャルオイル)は匂いの系統で分けると7種類あります。
一つずつその種類のオイルの名前、期待できる効果を含め紹介していきます。
① フローラル系
主に花系の香りです。
ラベンダー、カモミール、ゼラニウム、ローズ、ジャスミン、ローマン、ネロリ、オットーなどの匂いが含まれます。
ラベンダーはアロマテラピー入門、ともいえる精油(エッセンシャルオイル)です。優れた鎮静作用・自律神経の調整効果があり、ストレスの緩和にも有効とされています。
ゼラニウムは聞きなれない人もいると思いますが、アロマテラピーではよく使用される精油(エッセンシャルオイル)です。ローズの香りに似た匂いで気持ちを落ちつかせる作用があり、不安感・イライラ感に効果的です。
PMS(月経前症候群)にも有用と言われています。
カモミールの香りはほのかに甘く、リンゴの匂いに似ているといわれます。カモミールにも種類があり、ジャーマンカモミールにはカマズレンという成分が含まれており、抗アレルギー作用・抗ヒスタミン作用・抗炎症作用などが、ローマンカモミールには鎮静作用・鎮痛作用があります。
そのためジャーマンカモミールはアレルギー用の塗り薬やハンドクリームなどに、ローマンカモミールは精油(エッセンシャルオイル)に用いてリラックス用途に用いられることが多いとされます。
ローズの香りは気持ちを高め、幸福感を感じることができるため、ストレスや緊張感の緩和に役立ちます。また気分が落ち込んでいるときにも効果的です。
さらに月経困難症や生理前症候群(PMS)、更年期症状にも効果があるといわれており、女性の強い味方といえるでしょう。
② 柑橘(シトラス)系
柑橘(シトラス)系にはオレンジスイート、ベルガモット、レモングラス、グレープフルーツ、メリッサ、柚子などがあります。
全体的にすっきり・さっぱりとした香りのため、甘ったるい匂いは苦手、という方に向いているかもしれません。
オレンジスイートはその爽やかな香りで、沈んだ気分を調和し、前向きな気持ちにさせてくれる効果があります。
また特徴的なのが、消化器系の機能亢進作用があり、胃腸の調子を整えたり、食欲を増進させたりという作用があります。そのため夏バテや、精神的な疲労からくる食思不振などには最適の香りといえるでしょう。
ベルガモットは紅茶のアールグレイの香り付けに使用されている匂いです。柑橘系のもつ爽やかな香りとともに、フローラル系の甘さを少し含んだエレガントな匂いは女性に人気です。リラックス効果が高く、ストレスや落ちこんだ時などに効果を発揮します。
柚子は柑橘系のスッキリとした香りの奥にほのかに苦味ともいえる香りが隠れており、爽やかさだけでないことから和やかさも併せ持つ香りです。気持ちを過度に高めることがないため、睡眠との相性がよく寝室で使われることが多いです。また柚子湯などで知られるように血行促進や代謝アップなど血の巡りをよくする効果もあるため、バスタイムのお供にもよいでしょう。
③ ハーブ系
ハーブ系にはローズマリー、ペパーミント、メリッサ、クラリセージ、ユーカリ、スイートマージョラムなどがあります。
ローズマリーはキリっとしたハーブ感の強い香りで、気持ちを高揚させる効果があるため、気分が落ち込んている人に最適です。また眠気を覚ます効果や、集中力や記憶力を高める効果もあるため、勉強の時に焚くアロマとしても有名です。
ペパーミントは別名“はっか”の名前でも知られる、日本では最もポピュラーなハーブの一つでないでしょうか。
独特な鼻に抜けていくスッキリ感があり、リフレッシュ効果が非常に高く、眠気を抑える効果もあります。また鼻のつまりにも効果的で、蓄膿や花粉症、通年性のアレルギー性鼻炎の方にもおすすめです。
クラリセージはハーブ系の中では甘みを含む香りで、女性のためのハーブと言われています。その理由はクラリセージの香りには幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンの分泌を促す効果があるとされ、ストレスからの脱却や、自律神経の安定を促す効果があります。さらにクラリセージに含まれるスクラレオールという成分は女性ホルモン(エストロゲン)様の作用があり、ホルモンバランスの調整にも役立つとされています。
④ オリエンタル(エキゾチック)系
オリエンタル系の香りにはイランイラン、サンダルウッド、ベチバー、パチュリ、アガーウッド、ロックローズなどがあります。
イランイランは花なので、フローラルさ持ちますが、エキゾチックさ兼ね備えており、高級な香水によく使われています。高級感がありますが、緊張を高めることなくむしろ、肩の力を抜かせる効果があり、気持ちが張り詰めているときに最適です。またホルモンバランスの調整にもよいとされ、月経前症候群(PMS)や、更年期障害によるイライラにも効果的です。
サンダルウッドは文字通りウッディーな香りです。インドの寺院での瞑想時に用いられていた香りであり、心を静める効果あるため、緊張した時に最適です。気持ちが張り詰めて寝付けない時の入眠にも役立つでしょう。
パチュリは湿った土のような落ち着いた香りがします。パチュリは古くから薬草や漢方の材料として用いていた歴史があります。緊張やイライラで高ぶった気持ちを静め、気持ちをほぐすのに最適でしょう。
⑤ 樹木(ウッディ)系
樹木(ウッディ)系にはサイプレス、ジュニパーベリー、ヒノキ、バーチ、パイン(松)、シダーウッドなどがあります。
樹木系はその名の通り森林に入ったときに香ってくるような樹木独特の香りです。森林浴をしているかのような安心感とスッキリ感があります。
サイプレスは古代エジプトやローマ時代から神聖な樹木として扱われていました。その香りは、セドロールという成分が含まれており、イライラや緊張で高ぶった気持ちをおさめて、心を落ち着かせる効果があります。また呼吸を整える効果があるとされ、不安感で胸が詰まるような症状があるときにもおすすめです。
ヒノキは日本人にとっても森林浴のイメージに最も近い香りだと思います。ヒノキ風呂の匂い、といってもイメージしやすいかもしれません。リフレッシュ効果・リラックス効果に優れており、疲労感・ストレスに効果的とされています。また血行促進作用もあるため、四肢末端の冷えや下肢のむくみにも効果的です。
シダーウッドはウッディで甘さのある香りです。芳香性物質として古くから用いらており、現代では香水の保留材として使用されています。香りは心に落ち着きを与えることができ、不安感や焦燥感に効果的です。血行促進作用もあり、マッサージオイルとして用いられることもあります。
⑥ 樹脂(バルサム)系
樹脂(バルサム)系にはフランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ、エレミ、ガルバナムなどがあります。
ベンゾインは別名“安息香”としても有名です。東南アジアの熱帯雨林の樹木から取れる樹脂で、古来より宗教儀式に用いられていました。バニラのような甘い香りで、幸福感を与えるとともに、抑うつ気分をほぐす効果があるとされています。
フランキンセンスは別名“乳香”の名前で知られています。こちらも古来から宗教儀式に用いれてきた歴史のある精油です。スパイシーでウッディな香りは独特で、感情の高ぶりを静め、気持ちを落ち着かせてくれます。またマッサージオイルとしては若返りオイルとも呼ばれ、乾燥や肌荒れにも効果があるといわれています。
ミルラは別名“没薬”とも呼ばれ、香りには神経の興奮をおさめ、同時に精神を研ぎ澄ます効果があります。
また殺菌・防腐・乾燥作用があり、古代エジプトではミイラの保存の際に用いられていました。
⑦ スパイス系
スパイス系にはブラックペッパー、シナモン、ジンジャー、ナツメグ、アニススターなどがあります。
ブラックペッパーの香りはイメージが付くと思います。ピリリと刺激劇な香りで、神経系を賦活化する作用があり、やる気を出したり、胃腸の働きを高めることによる食欲増進作用などがあります。気持ちが乗らずやる気が出ないときや、食べ過ぎ飲みすぎで胃腸が本調子でない時などの助けになるかもしれません。
シナモンは漢方の世界では“桂皮”と言われて様々なものに含有されています。やや香りが強いため少量からの使用、他のオイルとのブレンドがお勧めです。ネガティブな感情の解放、閉塞感の改善などに効果的と言われています。
ジンジャーは、その名の通り生姜の香りです。気持ちを強くする作用、決断力の向上などが期待できます。
また、体を温める作用は有名で、四肢の血流を増進するだけでなく、胃腸の血流も促進することでその働きを高め、消化を助けます。マッサージオイルとしても優秀で、軽度の肌荒れにも効果的と言われています。
・精油(エッセンシャルオイル)の選び方
どこで買うか
初心者は店員さんのアドバイスを聞きながら選ぶことができるので専門店で買うことが理想的ですが、店舗数も多くなく、なかなか店舗まで行く時間がないこともあると思います。また一般的には通販のほうが価格が安いこともあり、入門的な精油を購入するのであれば通販でもよいと思います。
遮光ビンかを確認する
最近はほとんどなくなりましたが、まれに遮光ビンに入っていない精油(エッセンシャルオイル)があります。
専門店で購入すればまず問題ないですが、そうでないところで購入する場合は注意しましょう。大まかにいうと黄土色か緑色、紫色どれかのビンであればたいてい問題ないです。
100%天然か
合成された精油(エッセンシャルオイル)も存在するため、商品のどこかに“精油”、もしくは“100%天然”という表記があることを確認しましょう。
香りの選び方
上にある7種類の分類に書いた特徴から選ぶとよいでしょう。それだとわかりにくい、という方のために目的に合わせた精油の選び方を表にしておきますね。
目的 | おすすめの精油 |
リラックスしたい | カモミール、ラベンダー、マンダリン |
リフレッシュしたい | ペパーミント、ヒノキ、オレンジ、シトラス |
集中したい | ローズマリー、レモングラス、グレープフルーツ |
明るい気分になりたい | ベルガモット、オレンジ、ジャスミン |
緊張・不安感を解消したい | カモミール、ラベンダー、フランキセンス |
イライラをおさめたい | サイプレス、イランイラン、ペパーミント |
・どうやって精油を使うか?
精油(エッセンシャルオイル)の使い方はいろいろあります。どれが良い、どれが悪いと優劣があるものではないのでそれぞれ試してみて、自分にあう使いかたを見つけてみてください。
① 自然蒸発
寝具やハンカチ等にアロマオイルを数滴たらして自然に広がる香りを楽しむ方法です。特に道具等も不要で簡便かつ十分にアロマの香りを楽しむことができ、初心者にもお勧めの方法です
② 蒸気にのせて広がらせる
コップに熱湯を注いで、そこに数滴アロマオイルをたらして蒸気とともに匂いを拡散させることができます。自然に揮発させるのに比べて匂いが強くでることと、蒸気にのせるため精油の効能によっては鼻詰まりや喉の炎症にも効果があります。
注意点として目には刺激が強いため、この方法で吸入する場合は目を閉じてリラックスして行うことをお勧めします。
③ 入浴時に使用する
入浴時にお湯にたらして、全身の皮膚に届けつつ、立ち上がる湯気からも精油の香りを楽しむことができる方法です。香りを楽しむためだけならそのままたらすだけでOKですが、お湯に混ぜるためには油である精油はそのままでは溶けないため、無水エタノールで溶くか、専用のバスベースで乳化させて使用する必要があります。
④ 専用のディフューザーを使う
ディフューザーにも種類があり電気の力で熱を生み出し精油を気化させるタイプ
加湿器の1機能として加湿する水分とともに精油を拡散させるタイプ
木製のスティックにオイルを吸わせて気化させるタイプ
精油を細かい粒子して気中に拡散させるタイプ
があります。匂いの広がり方は下に行くほど強いですが、その分精油をたくさん消費するので、コストはかかってしまいます。部屋の広さや、香りを届けたい範囲に合わせて、選択してください。
・おすすめの精油
精油(エッセンシャルオイル)は上に書いた点を守っていればそれほど外すことはないと思いますが、いくつか通販で購入できるサイトを紹介しておきます。
全くの初心者が専門店での通販を利用するならこちらがおすすめです。比較的安価で様々なディフューザーから精油、スプレー剤まで提供しています。
手軽にアロマを生活に取り入れたいかた向けの商品設計、価格設定となっており、初心者お勧めのサイトです。
フレーバーライフは非常に取り扱っている精油の種類が豊富なのが特徴です。
ちょっと珍しい精油を試してみたいという方や、よりアロマテラピーに詳しくなりたい方は一度覗いてみてください。
またAmazonや楽天でもたくさんの商品が出ているので、普段からよくこれらの通販サイトを利用する方はこちらでもよいかもしれません。
最後に
いかがでしたか?
アロマテラピーは比較的安価に始められて、睡眠の質改善やストレス解消、場合によっては月経困難症の症状などにも効果を発揮することのできる趣味です。
興味が出てきた方は、明日から、ではなく今スグ初めてみてはいかがでしょうか?