こんにちは、すりぃぴ医です。
4月になって研修医になったかた、2年間の初期研修が終わったかた、新たな病院へ異動となったかた、色々な方がいると思います。
原則研修医の間のアルバイトは禁止されていますが、
研修終了後の医師人生における収入の柱となりうるのがアルバイト・外勤です。
アルバイトや外勤は医局に所属していれば、医局から紹介してもらえますが、プラスアルファでの収入が欲しい時は自分で探すしかありません。
また市中病院でもバイトをスタッフ内で回しているケースもありますが、案件が多くないため効率よく稼ぐためには自分で探す必要が出てきます。
バイトについてを同僚や上司に相談できる環境があればよいですが、
日本はなんとなく「お金を稼ぐ=汚い」という印象もあり、大っぴらに聞きにくいのではないでしょうか?
そこで今回は医師のバイト事情について、私の経験も添えてまとめてみました。
医師のアルバイトの種類は?その内容と給与相場
1. 当直バイト
医師のアルバイトと言ったらまず思い浮かぶのが当直バイトではないでしょうか。
日中は常勤先で働き、夜の時間に働くタイプのアルバイトです。
一概に当直バイトといっても勤務先の病院によって以下のような特徴があります。
療養型病院
最も楽です。基本的に外来は受け入れておらず、病棟管理が主な仕事です。
病棟管理に関しても急性期病院のようにマイナートラブルでのコールもほとんどなく、
お看取りや転倒時などの対応のみのことが多いため、ノーコールなことも多々あります。
しかしその分給与も安く、1晩で3-4万円程度、土曜夜から月曜朝までで10-15万円が平均です。
家で寝るよりは寝てるだけでお金になる、と思えばよい程度のものです。移動時間等を加味してやるかどうかを考えましょう。
メリットとしては、基本的に暇なので学会のスライド作成や論文執筆などの事務作業を持ち込むと非常に捗ります。
現在社会において働くうえでデジタルデバイスの助けは必要不可欠です。 特に医師として働いていると ・学会発表のスライド・ポスター作成・論文データまとめ・執筆・論文購読・抄読会資料作成・オンラインミーティング・オンラ[…]
訪問診療待機
訪問診療の夜間対応です。
訪問診療の診療所が担当している患者さんからの往診依頼やお看取りの対応を行います。
診療所内待機必須の場合と自宅待機が可能な場合があります。
1晩1-3万程度で往診1件につき0.5-1万円程度のインセンティブのケースが多いですが、案件によってはもっと高額なものもあります。
呼ばれなければ非常に楽なバイトですが、呼ばれると患者宅までの往復・対応で1、2時間は取られることもあり得る点は注意です。
ただし実際は電話対応のみで済むことも多いため、労働量的には療養型病院に近いと思います。
1次/2次救急病院
救急患者の受け入れを行っている病院です。
病院ごとにどの程度患者を受け入れるのかの差がかなりある印象です。
夜間救急車を積極的に受け入れている病院では全く眠れないこともあります。
そのため給与は忙しさに比例して変わり、忙しい病院では一晩で10万円を超えることもありますが、それほど忙しくない病院だと療養型病院に近い金額の5万円程度のこともあります。
若くて体力が有り余っている人向けです。
3次救急病院
一般的には救急専門医を持っていることを採用の条件にしていることが多いですが、都心を離れるとそうでなくても雇ってもらえるケースもあります。
救急専門医を持っていれば1晩で10万円を超える給与もふつうにあります。
ただ体力だけでなく、高度なスキルや知識が求められるため、救急専門医レベルでなければ手を出さない方が賢明でしょう。
2. 日当直バイト
土曜日から月曜日の朝までの2泊3日勤務や、祝日の朝から翌朝までの勤務などがあります。
概して先述の当直を1コマ分とすると2泊3日なら3-4コマ分、日当直なら2コマ分の給与で設定されていることが多いです。
例えば・・・
土曜日夜から月曜日朝までの場合・・・20万円
日曜日朝から月曜日朝までの場合・・・15万円
くらいが平均的な相場です。地方だったり、忙しい病院だと1.5倍くらいは期待可能です。
また救急病院で日中が休日当番日の場合、外来数が増えるので給与に多少の色を付けてくれる病院もあります。
3. 平日の日勤バイト
平日に休みがある医師が可能なバイトです。
大学病院で外勤日が設定されているケースや、市中病院で週4.5コマ勤務や土曜日勤務の代わりに平日休みがあったりすると行えます。
給与としては1コマ(半日)4-5万円程度、1日通し勤務だと9-10万円前後が多いのではないでしょうか。
眼科や産婦人科、内視鏡、麻酔科など専門性が高くなると高くなる傾向があり、1コマ5~6万円以上はもちろん、それ以上の求人も目にします。
4. 美容バイト
都内だと現在美容外科が乱立しているなか、大手法人が複数出店し、バイト医で運営を回しているケースがあります。
少し前までは経験不問、科目不問の募集がたくさんありましたが、現在は少なくなっており、皮膚科医や形成外科医をメインターゲットして募集していることが多いです。
給与は時給1万円強が相場でしたが、最近下落傾向がみられ時給1万円を割るものがみられるようになっています。
もちろん手術まで行うようなケースの場合は更に高額な給与やインセンティブが期待できます。
5. 脱毛・AGAバイト
脱毛前の肌チェックや、AGA薬の処方を行うだけのバイトです。
基本的にクリニック内のプロトコールがしっかりしており、看護師やスタッフが知識豊富であることが多く、
医師はほとんど知識がなくてもプロトコールに沿って対応していればOKなバイトです。
時給1万円程度が相場でしたが、こちらも若干の下落傾向がみられます。
6. 健診/検診バイト
文字通り健診/検診を行うバイトです。
問診のみや聴診までのものから、内視鏡まで行うものまであります。
定期で健診センターに雇われるものもありますが、4-6月などの学校や企業健診が多く行われる時期にはスポットバイトでかなりたくさんの募集がかかります。
ほとんどスキルを必要としないため、大体半日3-4万円程度のことが多いですが、
急募の場合や受診者数が多い場合、僻地の場合などでは相場の1.5-2倍での募集がかかることがあり、都合がつけば非常においしいバイトとなります。
また内視鏡については手技系のバイトに分類され患者単価も高いため半日5万円程度は期待できます。
7. 産業医バイト
基本的に産業医の資格が必要となるバイトです。
専任産業医を必要としない規模の企業の産業医として定期的に巡回することになります。
かなり楽ではありますが、給与は時給1万円程度で、1企業当たり2週に1回や1月に1回と頻度は高くないので、毎週勤務できないバイトとなり、うまく複数企業と契約できないと効率は良くありません。
常勤先がある医師が収入アップを目指すのであればお勧めしづらいバイトとなります。
どうやってバイトを探すか – バイトの探し方
1. 医局の斡旋
医局所属であれば比較的安定してまずまずの条件のバイトを斡旋してもらえます。
医局制度は衰退しているとはいえ、今でも組織の大きさ、影響力は強大であり医局OBが院長を務めている市中病院や医局OBの開業先など、また近隣の非常勤医師を求める病院で安定した医師の供給を望む病院からの求人が届きます。
医局派遣の医師であれば身元の保証から、ある程度の能力も担保も行ってくれるため、求人をかける側も医局との関係性は保ちたい、という思惑があり、市場に出回る求人よりは良い待遇であることが多いです。
しかしバイト先は医局から割り当てられるため、運の要素が強く、良いバイト先に当たればよいですが、拒否権はなく、遠方だったり、勤務内容が望まないものであっても行かなくてはならないことがあるのが欠点です。
2. 人脈を頼る
ある程度の年数医師として働き、色々な病院で勤務すると様々な知り合いができます。
かつての同僚から誘いがあったり、以前の勤務先からバイトの誘いがあったりします。
その場合勤務条件は給与から業務内容まで完全に交渉次第であり、うまくいけば非常に好待遇バイトを手に入れることができるかもしれません。
しかし一方で自分の人脈をもとにした契約となるため、多少条件が悪くても断りづらかったり、勤務開始後に「こんなはずじゃなかった」という勤務内容であってもやめづらかったり、勤務を終了するにあたって後任が見つかるまでやめづらかったりする、などのリスクもあります。
3. 医師派遣会社に仲介を頼む
実際のところ派遣会社を通してバイト先を紹介してもらうのが現在では最もスタンダードかと思います。
条件を登録しておけば、マッチする案件が出た際に連絡をもらえたり、定期非常勤であればエージェントがマッチする案件を探してくれたりします。
勤務後のメリットは後任については再度派遣会社が探してくれるため、勤務をいつでも辞められることと、勤務条件等の交渉を派遣会社が行ってくれることです。
何かトラブルがあった時も間に派遣会社が入ってくれるので、スムーズに解決できるのも強みです。
医師派遣会社は年々増えており、同じ案件でも扱う会社によって多少条件が異なったりします。登録自体は基本的に無料のため、とりあえず登録しておくのが良いでしょう。
以下におすすめの医師派遣会社を載せておくので、非常勤バイトに興味があればとりあえず登録しておくと積極的に探さなくでも、条件だけ指定しておけばマッチする求人の連絡をもらえるので便利です。
医師転職のエムスリーキャリア
いわずと知れたm3.comの運営する求人サイトです。
知名度抜群で、組織の規模も大きいため安心感は強いです。
非公開求人も多数所有しているため、とりあえず登録しておいて損はないと思います。
民間医局
スポットバイト、定期非常勤、常勤転職まで幅広く手掛けているサービスです。
スポットバイトも内視鏡バイトや透析バイトなども取り扱っています。
会員数110,000人、年間契約数44,000件、提携医療機関12,000施設と大手ならではの取り扱いの多さ故、ノウハウがしっかりしているので、あまり大きなトラブルなく利用できる印象です。
バイト斡旋以外にも、医師賠償責任保険に団体加入できることを目的に会員登録している医師も多いですね。
学会を通して申し込むのと同額で入ることが出来るので、非常に便利です。
バイトをするにしても、保険に入るにしても登録自体は無料なので、まずは登録してみて、気になるバイトがあるか、自分の地域のバイトが充実しているかを確認してみるとよいでしょう。
医師バイトドットコム
株式会社メディウェルが運営する医師求人サービスです。
次に紹介する医師転職ドットコムと同じ運営会社なのですが、スポットバイトはこちらのみでの取り扱いになっているので、
スポットバイトを希望される方はこちらに登録してください。
医師転職ドットコム
医師バイトドットコムと同じく株式会社メディウェルが運営する医師求人サービスです。
医師転職ドットコム、という名前ですが、常勤だけでなく非常勤求人も扱っており、
また病院以外からの求人も扱っているところが面白いところです。
ドクターキャスト
常勤転職から、定期非常勤バイトまで幅広く扱っています。
非常勤求人は充実しており、全国から求人があるため、とりあえず登録してことをおすすめします。
医師転職支援サービスの【JMC】
もともとは常勤の医師転職サービスを提供する会社ですが、非常勤勤務の取り扱いも行っています。
大手ではないため1件1件に手厚いサービスを提供することできるのが強みです。
常勤での転職も見据えている方は登録してみてもよいと思います。
最後に・・・
病院は常勤・非常勤・スポット求人のいずれも募集を出すにあたって、
コストを考えるとすべての転職会社に登録しているとは考えづらいため、求人を探す側の我々としてはとりあえず無料登録をしておくことをお勧めします。
ただし、サイトによっては多量の求人メールが送られてくることがあるので、病院のアドレスではなく、個人のアドレスでの登録をお勧めします。
こんにちは、すりぃぴ医です。 今回は一部の医師の間では常識でありながら、意外とやっている人が少ない印象の"医師のポイ活"についてまとめてみました。 ちなみにポイ活とは「隙間時間にスマホでアンケートに答えるなどをしてポイントをもら[…]